大聖堂(the Pillars of the Earth)
2013年 03月 05日
The Pillars of the Earth
Ken Follett
英語の難易度 ★★★★☆
勉強になる度 ★★★★★
いやーーーーーー 長かった!
なんと1000ページの大作です。1ページにもぎっしりと文字がつめこまれています。
たぶん2パート分くらいは短くできるんじゃないでしょうか・・・。最後のほうは悪者が何度も復活してきて「またかい!」というツッコミを心の中で何度もすることに・・・。
しかし、ストーリーの面白さに引っ張られて読みきった感じです。
その点はシドニィ・シェルダンに少し似ているかもしれません。究極のエンターテイメント小説です。
2~3年前にベストセラーだったのですが、その当時のカナダでは電車の中など読んでいる人をたくさん見ました。続きが気になって持ち歩いて読んでしまう!っていう魅力は確実にあります。
12世紀のイギリスが舞台になっているのですが、その当時の生活の様子が事細かに書かれていて、私にはとても興味深いですし、勉強になります。
私の一番の感想は
宗教ってコワイなーーー
っていうことです。
この物語では、良いmonkと悪いmonkが出てくるわけですが、ただ単にその両者の対決だけではなく、それが王権や市民の生活と複雑に絡まりあっていく様子が書かれています。Philipはとても高潔で自分にも他人にも厳しいという修道長であり、皆から尊敬され、その権力を正しく行使していますが、宗教にここまでのパワーがある時代では、ほんのちょっとのゆがみで、色々な人の人生を台無しにすることもありえるわけです。実際に、この物語にはそういった人がたくさん出てきます。
また、人間のとても汚い部分がこれでもか!!というくらいに書かれていますので、ちょっと考えさせられるところはあります。主人公と一緒に腹を立て、悩み、感動させられます。でも、William をはじめ、ちょっと登場人物の精神年齢が低いかも??この時代の人って、こんな感じだったんでしょうか。
私が特に好きなのはAlienaとPhilipから見た側面です。二人とも、この物語を通じてものすごく成長が見られます。Alienaは言うまでもなく十代の後半に悲劇に襲われそれまでの人生と一変したのですが、そこからはいあがる様が見事です。特にKingまでたどりつく道での彼女の変貌はすさまじい。
Philipは最初からとても高潔なのですが、ある意味で世間知らず。決して馬鹿ではなく、むしろ賢い彼が、悪に翻弄されつづける前半に対し、後半では威厳を持ってそれらに立ち向かっていきます。
英語でいえば、宗教的な言葉(bishopくらいまでは何とか分かったのですがarchdeaconとかWhitsunday, clergyman とかはやはり辞書を引かないと具体的にイメージできませんでした)がちょっと難しいかなーと思います。でも、ある意味ではお洒落な言葉使いのChick Litなどに比べると日本人に親しみやすい「正しい英語」が使われていると思いました。例えばスラング的なものが最小限とか、Phrasal verb(群動詞)よりも一語で表現されていたりなど。
ただやはり小説ですから、特殊な構文(倒置構文など)が使われていたり、構造が複雑だったりというのはたまにありますので、慣れていないとちょっと立ち止まってしまうかもしれません。そういう意味で本を読みなれている上級者の方にお勧めしたいです。
また、とても長い本なので、基本的に本を読む体力がある方が良いと思います。本をある程度読みなれている方、という意味です。
すべての言葉を辞書を引いて読むと必ず挫折すると思うので、ある程度飛ばしながら読むという姿勢が大事です。(私の個人的な意見ですが)
ベストセラーになった本なので、英語ネイティブでも読んでいる人が多いので、話題作りとしても良いかもしれません。
ドラマ化もされているということで私はこれから観てみるつもりです。「絶世の美女」という設定のAlienaが映像化されたらどんな風なのか、楽しみです。お気に入りのPhilipが、どんな人が演じているのか、ちょっと楽しみであり怖いような・・・・(日本にお住まいの方はBlue Rayですとリージョンコードが無くて良いかもしれません)
Pillars of the Earth [Blu-ray] [Import]
Ian McShane Matthew Macfadyen Eddie Redmayne
さらに、これ続編があるらしいです。↓興味津々。しかし、これだけの長編を読み始めると、ペースが落ちて積読が貯まりストレスなのでちょっと時間をあけてから取り組みたいと思います。
World Without End
Ken Follett
Ken Follett
英語の難易度 ★★★★☆
勉強になる度 ★★★★★
いやーーーーーー 長かった!
なんと1000ページの大作です。1ページにもぎっしりと文字がつめこまれています。
たぶん2パート分くらいは短くできるんじゃないでしょうか・・・。最後のほうは悪者が何度も復活してきて「またかい!」というツッコミを心の中で何度もすることに・・・。
しかし、ストーリーの面白さに引っ張られて読みきった感じです。
その点はシドニィ・シェルダンに少し似ているかもしれません。究極のエンターテイメント小説です。
2~3年前にベストセラーだったのですが、その当時のカナダでは電車の中など読んでいる人をたくさん見ました。続きが気になって持ち歩いて読んでしまう!っていう魅力は確実にあります。
12世紀のイギリスが舞台になっているのですが、その当時の生活の様子が事細かに書かれていて、私にはとても興味深いですし、勉強になります。
私の一番の感想は
宗教ってコワイなーーー
っていうことです。
この物語では、良いmonkと悪いmonkが出てくるわけですが、ただ単にその両者の対決だけではなく、それが王権や市民の生活と複雑に絡まりあっていく様子が書かれています。Philipはとても高潔で自分にも他人にも厳しいという修道長であり、皆から尊敬され、その権力を正しく行使していますが、宗教にここまでのパワーがある時代では、ほんのちょっとのゆがみで、色々な人の人生を台無しにすることもありえるわけです。実際に、この物語にはそういった人がたくさん出てきます。
また、人間のとても汚い部分がこれでもか!!というくらいに書かれていますので、ちょっと考えさせられるところはあります。主人公と一緒に腹を立て、悩み、感動させられます。でも、William をはじめ、ちょっと登場人物の精神年齢が低いかも??この時代の人って、こんな感じだったんでしょうか。
私が特に好きなのはAlienaとPhilipから見た側面です。二人とも、この物語を通じてものすごく成長が見られます。Alienaは言うまでもなく十代の後半に悲劇に襲われそれまでの人生と一変したのですが、そこからはいあがる様が見事です。特にKingまでたどりつく道での彼女の変貌はすさまじい。
Philipは最初からとても高潔なのですが、ある意味で世間知らず。決して馬鹿ではなく、むしろ賢い彼が、悪に翻弄されつづける前半に対し、後半では威厳を持ってそれらに立ち向かっていきます。
英語でいえば、宗教的な言葉(bishopくらいまでは何とか分かったのですがarchdeaconとかWhitsunday, clergyman とかはやはり辞書を引かないと具体的にイメージできませんでした)がちょっと難しいかなーと思います。でも、ある意味ではお洒落な言葉使いのChick Litなどに比べると日本人に親しみやすい「正しい英語」が使われていると思いました。例えばスラング的なものが最小限とか、Phrasal verb(群動詞)よりも一語で表現されていたりなど。
ただやはり小説ですから、特殊な構文(倒置構文など)が使われていたり、構造が複雑だったりというのはたまにありますので、慣れていないとちょっと立ち止まってしまうかもしれません。そういう意味で本を読みなれている上級者の方にお勧めしたいです。
また、とても長い本なので、基本的に本を読む体力がある方が良いと思います。本をある程度読みなれている方、という意味です。
すべての言葉を辞書を引いて読むと必ず挫折すると思うので、ある程度飛ばしながら読むという姿勢が大事です。(私の個人的な意見ですが)
ベストセラーになった本なので、英語ネイティブでも読んでいる人が多いので、話題作りとしても良いかもしれません。
ドラマ化もされているということで私はこれから観てみるつもりです。「絶世の美女」という設定のAlienaが映像化されたらどんな風なのか、楽しみです。お気に入りのPhilipが、どんな人が演じているのか、ちょっと楽しみであり怖いような・・・・(日本にお住まいの方はBlue Rayですとリージョンコードが無くて良いかもしれません)
Pillars of the Earth [Blu-ray] [Import]
Ian McShane Matthew Macfadyen Eddie Redmayne
さらに、これ続編があるらしいです。↓興味津々。しかし、これだけの長編を読み始めると、ペースが落ちて積読が貯まりストレスなのでちょっと時間をあけてから取り組みたいと思います。
World Without End
Ken Follett
by english-books
| 2013-03-05 11:25
| 上級者向け