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夜中に犬に起こった奇妙な事件

The Curious Incident of the Dog in the Night-time
Mark Haddon
0385659806


新鮮度 ★★★★★
英語の難易度 ★★☆☆☆
(起こった事実を淡々と並べて書いてある手法なので読むのは楽。こういう文章は自閉症の特徴のひとつらしいです)

15歳の少年、クリストファーは自閉症。数学や天文学に関して天才的な頭脳を持っています。
彼は近所の飼い犬が殺されているのを発見してしまい、犯人をつきとめようと動き出します。
彼が動き出すことで、思ってもみなかった事実が次々と明らかになり・・・
というお話。

クリストファーが、学校の先生に薦められてこの本を書いている、という設定ですから、
彼の視点から全ての事象が丹念に、繊細に、詳細に描かれています。
自閉症の特徴であるという、事実だけを書いていく文章。
「僕は叫んだ。」
「僕は殴った。」
「僕は逃げた。」
自分の気持ちを客観的に分析するということはしないので、そういった文章は全くといって良いほど見られませんが、彼が回りの大人に対して困惑したり、恐怖を抱いたり、緊張したり、安心したり、といった感情が細やかに伝わってきます。

途中で、彼の周りの大人たちの、必死で生きている様子が伝わってきてやるせなくなります。
クリストファーに対して「彼らもがんばっているんだから、許してあげてよ」と言いたい気持ちになりました。

でも、最終的な被害者はやはり他の誰でもない、クリストファーなのですね。
それでも強く生きていく彼の姿に、元気づけられます。最後の文章は感動でした。
by english-books | 2009-02-05 13:04